言葉だけでいいから、僕のこと、信じてくれないか。
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僕らは鏡を覗き込み、自らの姿を直裁に理解する。僕が僕であること。あなたがあなたであること。だが、それは思い込みに過ぎない。僕/あなたは決して自分自身を識ることはできない。自らの身体の存在をうまく呑み込めず、僕らは、食べ、飲み、排泄し、性交し、時に煙草を吸い、時に身体に穴を開けてまで自らの身体を知ろうと躍起になる。その実、僕らは何も知らないのだ。

鏡に映る姿を誤認することによって、人間は自らを構成するのだとジャック・ラカンは考えた。弛まぬ誤認による想像・・・やがて、僕らは言語を獲得し、象徴界に身を委ねることになる。だが、鏡に立ち会った瞬間、僕らは再び出会うだろう。

A terrible fish./おぞましい魚。

「鏡」とは、まぎれもなく他者のことであるが、そこには常に「死」がつき纏っている。僕らは「死」に突き動かされながら、鏡を覗き込む。あなたには何が見えるだろうか?

Sylvia Plath(1932 – 1963)は二月のある日、オーブンに首を突っ込んで死んだ。彼女ほど「鏡」を直視し続けた詩人は稀だ。Sylviaは自らの詩の中に、自らの身体を書きこんだのである。


Mirror

I am silver and exact. I have no preconceptions.
What ever you see I swallow immediately
Just as it is, unmisted by love or dislike.
I am not cruel, only truthful---
The eye of a little god, four-cornered.
Most of the time I meditate on the opposite wall.
It is pink, with speckles. I have looked at it so long
I think it is a part of my heart. But it flickers.
Faces and darkness separate us over and over.

Now I am a lake. A woman bends over me,
Searching my reaches for what she really is.
Then she turns to those liars, the candles or the moon.
I see her back, and reflect it faithfully.
She rewards me with tears and an agitation of hands.
I am important to her. She comes and goes.
Each morning it is her face that replaces the darkness.
In me she has drowned a young girl, and in me an old woman
Rises toward her day after day, like a terrible fish.


わたしは銀色で正確。先入観はない。
あなたが見たものを 私は何でもすぐさま飲み込む
あるがままに、好き嫌いに曇らされることなく。
私は残酷ではない、真実であるだけで---
四面にある小さな神の目。
殆どいつも わたしは向かいがわの壁について黙想する。
その壁はピンクでしみがついている。ずいぶん長いこと見続けた
わたしの心臓の一部のようだと思う。でも それは揺らめく。
顔と暗闇はわたしたちを何度も何度も切り離す。

今わたしは湖。一人の女が私の上に身をかがめ、
本物の自分を求めてわたしの領域を探している。
それからあの嘘つきたちや、蝋燭や月に顔を向ける。
わたしは彼女の背を見て、それを忠実に映し出す。
彼女は涙と大仰な手振りで私に報いる。
わたしは彼女にとって重要なのだ。彼女は行ったり来たりする。
毎朝暗闇と交替するのは彼女の顔だ。
わたしのなかで、彼女は一人の若い女を溺死させた、そしてわたしの中で一人の老女が繰り返し自分の一日の方へと立ち上る、おぞましい魚のように。

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